諏訪市豊田・岡谷市湊沖で投網を打つ有賀さん=22日午前8時19分。県諏訪農業農村支援センターの事業で試験捕りを試みているが、水揚げできていない
諏訪湖のワカサギ採卵事業で不安定な状況が続く中、長野県諏訪農業農村支援センターは、産卵を控えたワカサギの生息場所や成熟状況を調べる試験捕りを行っている。岸辺や流入河川の河口近くで漁師に投網を打ってもらい、捕獲した親魚の成熟状況などを調べる事業だが、22日までの試験捕りでは水揚げできていない。引き続き、3月15日までの原則火曜日に捕獲を試みる予定。
ワカサギは漁師らの経験則から、産卵で河川に上る前、湖岸に集まるとされてきた。ただ、公的な調査はこれまで行われておらず、遡上直前の資源状況は把握できていなかった。
調査は2月4日に始まり、捕獲は諏訪湖漁業協同組合役員の漁師が交代で実施してきた。22日は3回目の捕獲日で2人が舟を出し、諏訪市側と岡谷市・下諏訪町側で投網を打った。このうち、諏訪市側を担当した同漁協総代の有賀章さん(70)=同市渋崎=は6、7カ所で捕獲を試みたが、1匹も捕れなかった。
過去2回の試験捕りでは湖岸付近が凍っていたため、解氷した場所でしか網が打てず、仮に魚が氷の下に隠れると、捕獲は難しいとされてきた。22日の湖岸は凍ってなかったにもかかわらず、1匹も捕れなかった。有賀さんは「おかしい。いくら何でも1匹も捕れないとは」と首をかしげていた。
同センターは「今の段階ではまだ何とも言えない。投網を打つ時間帯の問題もあるかもしれない。試験捕りの全日程が終わった段階で総合的に判断したい」と語った。次回は3月1日を予定している。
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