誘致を表明した飯田市・佐藤市長(左)と長野市・荻原市長(右)
信州大学が検討している新しい学部について、長野市の荻原健司市長は先月、誘致する方針を表明しました。新学部誘致をめぐっては、飯田市の佐藤健市長も今年10月に名乗りを上げていて、誘致合戦に発展しそうな状況です。
飯田市・佐藤健市長:
「この地域は4年制の大学が無い。地域としての長年の悲願でもある」
12月1日の飯田市長会見で、佐藤健市長が「悲願」と話したのは、信州大学の新しい学部の誘致です。
現在、県内4つの地域に8学部を構える信州大学。今年10月に就任した中村宗一郎学長は、就任会見の時に「任期中に新しい学部を設置することを検討している」と明かしていました。
飯田・下伊那地域には4年制の大学がなく、佐藤市長は「人材育成や地域の活力創出につながる」として、すぐに誘致を表明。すでに座光寺地区の「産業振興と人材の拠点・エス・バード」を最有力の候補地としています。
飯田市・佐藤市長(今月1日):
「多くの若者が地域を離れるという中で、4年制の大学が地元にあれば、そこに進学することできるようになる」
一方、10月に就任した長野市の荻原健司市長も先月24日の会見で…。
長野市・荻原健司市長(先月24日):
「長野圏域としても、工学部が分割されることに大きな危機感を抱いている。新学部の誘致について検討していきたい」
新学部については「情報系の学部で、工学部が再編される」と取り沙汰されており、長野市は人材の流出を懸念しています。
すでに、周辺市町村に誘致への協力も呼びかけています。
長野市・荻原健司市長(先月24日):
「スマートシティー構想を進めており、新学部から人材を確保したい。育成機関は長野市にあるべき」
一方の飯田市も、今月中に誘致に向けた期成同盟会の設立を目指しています。
飯田市・佐藤健市長(今月1日):
「他にも手を挙げる地域があるだろうと思っていたので、想定の範囲内。リニア駅の近くにキャンパスがあるというのは、一つの大きな要素になると感じている。この地域の熱意を伝えていきたい」
今後、両市で動きが本格化し、誘致合戦となる可能性も出てきました。
なお、信州大学は、新学部の設置構想について「まったく白紙の状態」としています。
長野放送[/MARKOVE]