岡屋遺跡の出土品を展示している企画展=岡谷美術考古館
長野県岡谷市の岡谷美術考古館は、「岡屋考古館」(同市本町)の開館60周年を記念した企画展「日本一小さく?古い?考古館、でもそこに文化財保護の神髄がある」を開いている。縄文前期から弥生、古墳時代の住居跡がある市内の岡屋遺跡の出土品約400点を展示。岡屋遺跡と、同遺跡の出土品を所蔵している岡屋考古館を紹介している。19日は「岡屋考古館フォーラム」を同市イルフプラザカルチャーセンターで開く。
岡谷美術考古館によると、岡屋遺跡は同市の弥生時代を代表する遺跡の一つで、1955年、成田町上から高尾山方面への林道工事の際に発見された。発掘調査で住居跡10棟が確認され、石器や土器類が出土。地元有志が保存会を結成し、62年には岡谷十五社境内に岡屋考古館を建設して遺物を保管してきた。
近年では「存在を知る人も少なくなった」という岡屋考古館や同遺跡について、開館60周年を機に改めて関心を持ってもらおうと開く企画展。縄文や弥生、古墳時代の石器、土器などを展示する。
岡屋遺跡の発掘調査には当時の高校生らも参加していたという。岡谷美術考古館では参加者の発掘調査の経験談、地域住民の岡屋遺跡や考古館の思い出話、当時の写真など、広く情報提供を呼び掛けている。
企画展に合わせて開く「岡屋考古館フォーラム」は19日午後1時から。平出考古館(塩尻市)元館長の小林康男さんが「岡屋遺跡の復元住居と考古館」、元市文化財審議委員の林賢さんと大昔調査会副理事長の三上徹也さんが「岡屋遺跡・発見・調査・そして今」と題して講演する。当日午前10時~正午は岡屋考古館を公開する。
展示は12月27日まで。問い合わせは岡谷美術考古館(電話0266・22・5854)へ。
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