千代田湖畔で自然を感じながらピアノを演奏する平澤真希さん
長野県伊那市は18日、新たな森の魅力を発信しようと、地元出身のピアニスト平澤真希さんによるピアノ演奏の動画撮影を同市高遠町の千代田湖畔で行った。平澤さんは自然との共演による「ネイチャーピアノ」に取り組んでおり、自然とピアノの「一期一会のコラボレーション」を映像化。来年1月末から2月初めごろ完成し、市や平澤さんのホームページ、動画投稿サイト・YouTube(ユーチューブ)で公開する予定だ。
50年後の森林のあるべき姿を示した「市50年の森林ビジョン」に基づく取り組みの一環で、森の価値や魅力を発信し、森林の多面的な活用や林業分野での関係人口の創出につなげる目的で初めて企画した。平澤さんは3年ほど前からネイチャーピアノを発表。これまで入笠山や仲仙寺などでも収録を行ってきた。
今回は湖畔にグランドピアノを持ち込み、平澤さんの自作曲「水のプレリュード」、シューマンの「トロイメライ」、ドビュッシーの「月の光」の3曲を演奏。森の中の静かな湖畔に澄んだ音色を響かせた。それぞれの曲に付ける風景も撮影。「水のプレリュード」は湖、「トロイメライ」はたき火、「月の光」は月の映像と組み合わせる。
「鏡のように美しい湖に心を洗われ、すがすがしい気持ちで弾かせていただいた」と平澤さん。「風、鳥の声、土の香り-。ホールでは味わえない自然との調和がネイチャーピアノの魅力」といい、「持続可能な自然との共存が求められている。人間も自然の一部であり、音楽を通して自然や未来を見つめ直すきっかけになれば」と話した。
市地域創造課は「50年の森林ビジョンではさまざまな観点から森の活用を進めているが、ネイチャーピアノという文化的な視点から新たな森の価値や魅力を伝えたい」と説明。「動画を見て、伊那市に行ってみたいと思ってもらえたら」と期待していた。
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