投網漁の解禁初日に水揚げされたワカサギ(9月2日)。放流卵の減少に伴う資源量の状況を鑑み、今季の投網漁は2カ月ほど早く終了となった
長野県諏訪湖漁業協同組合は18日、今季のワカサギの投網漁を終了したと発表した。例年よりも2カ月ほど大幅に前倒ししての終了で、新年1月上旬に実施している初市も行わない。今春の採卵事業の不調で魚卵放流量が例年を大きく下回ったことに伴う資源量への懸念から、「苦渋の決断」(諏訪湖漁協)を下した。投網を行う漁師には12日付で書面で通知。漁師からは「受け入れはするが、もう少し詳しい状況を知りたい」という声が上がっている。
報道発表は文書で行った。「資源状況に鑑み、本日(18日)をもって投網漁を終了した」旨の説明が記されていた。釣りについては10月19日に県諏訪地域振興局の主催で実施した「諏訪湖のワカサギに係る連絡会議」で了承された、「自主抑制事項」にのっとり節度を持って楽しむよう求めている。
連絡会議では、12月1日から来年5月31日までの間、釣りの時間が午前7時から午後3時30分までとなる制限が了承された。連絡会議と同じ日に県水産試験場諏訪支場が報告した9月28日実施の魚群探知機による資源量調査では、ワカサギの推定尾数が過去5年の9月平均推定量の約4割となる1510万尾にとどまっていた。今春の魚卵放流量は1.4億粒だった。
今季の投網漁は9月2日の解禁日から出漁は週1日1時間のみで、例年の週3日2時間または3時間と比べ、厳しい規制の下で行われてきた。
大幅な前倒しでの終了について、漁師の1人は「先週、投網漁終了の通知文書を受け取り、『あと1回しか投網漁ができないのか』とびっくりし、またがっかりもした。資源量が少ないことは分かるが、具体的に今、どのような状況にあるのか。そうした説明をしてもらった上での終了通知であればまだ納得もできるのだが」と話していた。
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