長野放送
12日、長野県小川村に唯一のパン店がオープン。開店と同時に多くの住民らが訪れ、にぎわいました。店主の男性は「地域の一部になりたい」と意気込んでいます。
朝6時半。
食パン型から出す厨房に焼きたてのパンの香りが広がります。
ここは、小川村にきょうオープンした「Bakery 24sekki」です。
店主は岐阜県出身の廣田晃里さん(41)。地域おこし協力隊員として移住後、東京のパン店に勤務した経験をいかして村を盛り上げたいと、開店を決意しました。
廣田晃里さん:
「ようやく、パン屋のスタートラインに立てたのかな」
実は、去年、閉店したある店とのつながりがあります。
(2018年取材)
長野市安茂里の「ルミエール」。店主は横川清司さん、1975年に店を構え多くの客に親しまれてきました。
横川清司さん:
「食べた人が幸せになれる、これはすごい仕事だなと」
しかし、去年、横川さんはがんに倒れます。入退院を繰り返しながらもパンを焼き続けましたが、10月、店の奥の部屋で息を引き取りました。
店は年末、45年の歴史に幕を降ろしました。
(2021年7月取材)
今年の夏、廣田さんはオープンに向けた試作に追われていました。
厨房で生地をこねるのは「ルミエール」のミキサー。金融機関の紹介で知りあった横川さんの家族から「応援したい」と譲ってもらったのです。
廣田晃里さん:
「ルミエールさんのファンだった方がこちらに来られて、おいしいな、懐かしいなと思ってくれたらうれしい」
そして、迎えたオープン初日。(2021年11月12日)
店頭には、あんパンやフランスパンなど14種類のパンが並びました。
開店と同時に多くの住民などがパンを買い求めにやってきました。
客:
「(開店を)待ってたの。なかなか作り立て食べられないからね」
「みんなの憩いの場、居場所になっていったらいいかな」
開店から約30分で売り切れました。
廣田晃里さん:
「皆さん待っててくださってた…」
廣田さんはこれから、村唯一のパン店として住民の生活に欠かせない店になりたいと意気込んでいます。
廣田晃里さん:
「普段来るのは、村の方がほとんどなので、気軽に寄って買えるような。地域の中に溶け込んでいっている感じがするので、この店が地域の一部になっていけたらうれしい」
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