大見山でののろしを確認し、点火した関係者=30日午前11時55分ごろ、有賀城跡
長野県下伊那郡根羽村の県境「杣路峠」から伊那谷、諏訪盆地を経て山梨県甲府市の武田神社までをのろしで結ぶ、第14回武田信玄狼煙リレーが30日に27市町村68カ所で行われた。午前11時に根羽村をスタートしたリレーは午後1時20分ごろ、武田家の当主と家来の子孫が待つ甲府市に到着。武田信玄生誕500年の節目に長野、山梨両県をまたぐのろしリレーが1本につながった。
秋晴れの絶好の”のろし上げ日和”となった同日、諏訪地方では12カ所で実施した。伊那谷を北上し、辰野町のしだれ栗展望台から塩尻市のいの字山を経て、岡谷市湊の花岡城跡に届いたのろしは、下諏訪町、諏訪市、茅野市へとつながり、富士見町の富士見高原リゾートから山梨県側に引き継がれた。
諏訪市豊田の有賀城跡では、有賀城跡保存会や有賀区、地元の森林を管理する有賀林野の関係者10人がのろし上げを担当。下諏訪町の桜ケ城跡で午前11時43分ごろにのろしが上がると、有賀城跡でもにわかに準備が慌ただしくなった。枝打ちの木や新聞紙、着火剤を重ね、上にヒノキの青葉をかぶせて諏訪市の大見山で煙が上がるのを待った。のろし確認後に点火すると、最初は煙が風に流されたが、次第に天に向かって上がるようになり、関係者を安堵させた。
この後、岡谷市から富士見町まで見渡せる同所で、諏訪市の高嶋城跡地、桑原城址、茅野市の上原城跡、小泉山などへと続く煙のリレーを見て喜んでいた。保存会の中島俊雄会長(72)は「甲府まで続くのろしリレーの一端を無事に担えて良かった。武田家の子孫の下にまで届くと思うと感慨深いものがある。関係者の皆さんの協力に感謝したい」と話した。
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