長野放送
台風19号による千曲川の堤防決壊からきょう10月13日で2年。被災地で大きな課題となっているのが、コミュニティーをどう維持していくかです。災害後、住み慣れた場所を離れざるを得なかった人も多くいます。
女性(61):
「家の境はどこら辺だっけ…」
解体された長野市赤沼の自宅跡地を訪れた女性(61)。別の地区の借り上げ住宅で暮らしながら、長沼地区にできる災害公営住宅を待っていました。
女性:
「三十何年間かけて知り合った方との関係が切れるのは嫌だった。(長沼地区に)住みたい。やっぱり住みたいね」
しかし…。
長野市・加藤久雄市長(今月9日):
「最終的に建設することは適切でないという結論に達しました」
今月9日、長野市は災害公営住宅の長沼地区への建設を断念したことを住民に説明しました。予定地は浸水に備えて盛り土をする必要があり、安全面で問題があること、豊野筑の災害公営住宅に空きがあることが主な理由でした。
長沼地区に戻りたいという女性の願いは届きませんでした。
女性:
「長沼が見捨てられたかなと…疲れました。精神的に疲れました。長沼に帰りたい、それだけです」
女性は豊野地区の災害公営住宅に入り、生活を始める予定です。市は希望していた他の4世帯にも入居を勧めるとしています。
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