長野放送
船頭が転落して行方不明になった事故を受けて運休していた長野県飯田市の「天竜舟下り」が28日、安全対策を見直した上で運航を再開しました。
波しぶきを上げる天竜川の川下り舟。船頭の足もとの船べりには、真新しい板が取り付けてあります。
「天竜舟下り」では今月8日、60代のベテランの男性船頭が転落して行方不明となり、運休が続いていました。
信南交通・中島一夫社長(25日):
「いくつかの重要な改善を行い、手抜かりがあったことは素直に認めて、そこから出発させていただきたい」
転落の理由は櫂が水をつかめず空振りする「空櫂」で、バランスを崩したためと見られています。
船べりに取り付けた板は、いざという時に身体を支えるための工夫です。腰に巻くタイプだった船頭の救命具も、転落時に作動しなかったと見て、「ベスト」のタイプに切り替えました。
約20日ぶりの再開となった28日は、団体の予約も入り、さわやかな秋空のもと30分余りの船旅を楽しみました。
乗船した人:
「コロナ禍で皆さん久しぶりに外に出てこられて良かった、満足しています。波があってスリルがあるのが良い」
信南交通地域観光事業部・木下明部長:
「お客さまに安全で安心して楽しんでいただけるように、ますます努めていきたい。(行方不明の船頭を)一日も早く発見したいと思う」
本格的な秋の観光シーズンを前にした運航再開。一方で、運営する信南交通では、引き続き行方不明の男性の捜索も続けるということです。
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