長野放送
子どもへの新型コロナウイルスの感染拡大にどう対処するか。先月の長野県内の10代以下の子どもの感染者は551人で、全体の21.3%に上りました。感染力の強いデルタ株の影響で、「第3波」「第4波」の頃より人数、割合とも増えています。そこで注目されるのが12歳以上の中高生世代へのワクチン接種。副反応などを心配する声もありますが、長野県内でも広がる気配です。
夏休みを利用して中高生への集団接種を実施した塩尻市。
若い世代ほど出やすいとされる発熱などの副反応を心配する声もありましたが、市内の中高生の6割近くに当たる2100人余りが先月中旬までに2回の接種を受けました。
接種を受けた高校2年生:
「祖父母にもうつしたくないので受けようと」
接種を受けた高校3年生:
「全く痛くなくて、ちょっと驚いている」
接種を受けた生徒の保護者:
「(接種は)迷いましたね。(子どもが)野球をしているので、集団で感染してはいけないなと」
「重症化すると受験勉強や当日にすごく困ることになるので、少し悩みました。夫婦とか家族で相談して、きょうもここに来た」
市によりますと、これまでに重い副反応を訴えた人はいなかったということです。
塩尻市ワクチン接種推進室:
「重篤なアナフィラキシーショック等は1人もなく、安心している。夏休み中に接種ができ、感染拡大が叫ばれる中、安心して学習に取り組めるお子さん、ご家族の皆さんができ、やったかいはあった」
一定の成果があったとして、市は追加で受験生の接種希望者を募集しています。約300人の申し込みを見込んでいて、中高生の接種率は市内全体の7割に上昇する見込みです。
塩尻市ワクチン接種推進室:
「(夏休みが終わり)学校が再開して、クラスターの心配だったり、早めにワクチン接種をして、安心して生活ができると考えているのではないか」
東御市も中高生世代への接種を進めようとしています。
(記者リポート)
「東御市では、子どもとその親に積極的に接種を受けてもらおうと、新たな形で集団接種を呼びかけています」
東御市は今月4日と18日を「親子で接種デー」として、12歳から18歳までとその保護者に対し優先的に接種します。
保護者が接種済みでも申し込み可能ですが、12歳から15歳までは保護者同伴が求められています。
子どもが接種を予定している保護者:
「重症化のことを考えたら、打っておいた方がいいかなと。(市に)早く取り組んでいただいていて、ありがたい」
1日の段階で接種券を配った12歳から18歳の4割ほどが「親子デー」を含めて接種の申し込みをしているということです。
東御市健康保健課:
「若い年代の接種率・申し込み率が低いので、接種を促す意味でも(親子)一緒にどうかと。周辺地域でも子どもの感染が増えてきているので、なるべく積極的に打っていただきたい」
第5波の感染拡大で保護者の考え方も変わってきたようで、県内でも中高生世代への接種が広がりそうです。
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