増改築工事が完了した中央アルプスの檜尾小屋
長野県の駒ケ根市が今年度、中央アルプス・檜尾岳(2728メートル)頂上近くにある山小屋「檜尾避難小屋」で進めていた増改築工事が完了した。登山客の安全確保や周辺環境の保全、山岳観光の振興を図るために小屋の収容人数を拡大し、緊急時にはヘリポートとして利用できるテント場も新設。トップシーズンには管理人を常駐させる方針で、来年7月下旬のリニューアルオープンを予定している。
檜尾避難小屋は中ア宝剣岳と空木岳のほぼ中間に位置し、縦走を楽しむ登山者の需要も高い。今回の工事では収容人数10人ほどだった既存の小屋(22・44平方メートルに、木造平屋の小屋(29・13平方メートル)を増築。内部の客間にロフトを設けたことで、一時的な避難者を含めた最大収容人数は35人前後まで拡大する。
既存の小屋には管理人を配置するための設備や乾燥室などを整備。檜尾岳東側直下にはテント場(256・20平方メートル)を新たに設けた。
事業費は8550万円で、このうち5400万円が国県の補助金。残りの市負担分を軽減するために実施したガバメントクラウドファンディングで一般から764万4000円の資金を調達したほか、市内に拠点を置く2企業から企業版ふるさと納税として500万円の寄付があった。
市は29日開会の市議会12月定例会に檜尾小屋の設置に関する条例案を追加提案する考え。小屋の運営については「十分な管理運営ノウハウや経験、技術などが必要」とし、民間の事業者や団体から指定管理者を募集する。管理人を配置した運営は、毎年7月の第3土曜日から10月の第3月曜日まで(予定)。建物の一部は避難小屋として開放され、通年利用できる。
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