トレイルランニングの世界選手権日本代表・高村貴子選手
特集は、山岳などの整地されていない道を走るトレイルランニングです。先日、この秋の世界選手権に出場する日本代表の10人が発表されました。そのうち3人は長野県関係選手。以前、ニュースで紹介した大町市出身の上田瑠偉選手、警察官との二足のわらじで励む秋山穂乃果選手、そして8日、紹介する高村貴子選手です。実は高村選手も意外な職業に就いている二刀流のランナー。練習と職場の様子を取材しました。
高村貴子選手(北アルプス唐松岳・7月)
トレイルランナーの高村貴子選手(28)。この日の練習場所は北アルプス・唐松岳です。
空気は薄く、急こう配。普通なら登山ですが、トレイルランナーは走ります。
急こう配の登山道を進む…
高村貴子さん:
「ひと山、ふた山とか行くと、男子にもだいぶ競れるかなという自信はあります」
11月の世界選手権の日本代表に選ばれた高村さん。実はもう一つの顔があります。
研修医として働く高村貴子さん
精神科の病院で働く研修医です。
高村貴子さん:
「今は病棟の患者さんを診たりとか、外来に来られる患者さんを診たりとか、先生方に教えていただいたりして、さらに知識を深めていくということをやっている」
高村さんは石川県出身。医師を志したのは高校時代です。
高村貴子さん:
「高校生の時に陸上部に入ったんですけど、貧血がひどくなってしまって続けられなくなった時に、こういうふうに苦しんでいる、けがとかで苦しんでいる選手を何とか自分が助けられたらなと思って、医学部に行きたいなと思いはじめました」
進学したのは北海道の医科大学。スキー部に入りましたが、2年生の時にトレランと出会います。練習の一環としてレースに出たところ…。
高村貴子さん:
「ゴールした後の今まで感じたことのない爽快感とか達成感が、私の中では電気が走ったじゃないですけど、それぐらい衝撃的で、『この競技やってみたい』と思ったのが始まりの時ですね」
もともと、スタミナがあった上に悩まされてきた貧血も改善。数々のトレランの大会で活躍するようになります。
国内最高峰の大会・日本山岳耐久レースでは3連覇を成し遂げました。その後、国家試験に合格し、大学を卒業。最初の研修先には信州上田医療センターを選びました。
理由はもちろん…。
高村貴子さん:
「山にすぐに行けるような環境に住んでみたいなと思って」
今の病院でも医療と競技の両立を目指しています。
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