受動喫煙防止条例の趣旨を説明する金子ゆかり市長
長野県諏訪市は1日、受動喫煙防止条例「受動喫煙のない思いやりと健康のまちづくり条例」を施行し、禁煙の重点区域に指定した湖畔公園で啓発活動を行った。青空が広がり、大勢の行楽客でにぎわう湖畔公園で、金子ゆかり市長と市職員が啓発ティッシュを配り、受動喫煙を防ぐ条例に理解と協力を呼び掛けた。
条例制定は金子市長2期目のマニフェストで、昨年9月の市議会で可決された。受動喫煙を防止する市と市民、事業者の責務を定め、市長は市民などの意見を聞いて重点区域を指定できる。重点区域は諏訪湖畔のD51付近から諏訪湖間欠泉センターまでの約3万2000平方メートル。幅7~89メートルの細長いエリアで「少し歩けば外に出て喫煙できる」ため、喫煙者に配慮した場所として選んだ。仮に区域内で喫煙しても、罰則はない。
市は、公園出入り口の15カ所に禁煙を知らせる看板を設置し、条例をアピールする桃太郎旗を16本掲げた。金子市長は「湖畔公園ではたばこの煙を心配せず、おいしい空気を吸い、湖畔の景色を楽しんでほしい」と語り、観光客や家族連れに積極的に声を掛け、条例の趣旨を説明した。
市は今後も週1回のペースで園内を巡回し、条例と重点区域の周知を図る。係員が2人1組で公園を歩き、条例の説明や禁煙に協力を求めるという。市はこのほか、禁煙外来の受診費用を助成する取り組みも行っている。
京都市から家族4人で諏訪湖畔を訪れた沖裕子さん(69)は「京都も路上喫煙はだめ。諏訪湖は静かで美しい。たばこの煙や吸い殻があると残念なので、条例は素晴らしいですね」と話していた。
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