長野放送
頼もしい高校生の話題です。長野県の上田千曲高校の生徒が地域のお年寄りの家に出向いて困り事に対応する「レンタル高校生」という取り組みが行われました。
「おじゃまします。失礼します」
上田市の高橋さん84歳の家を訪れたのは、上田千曲高校生活福祉科の3年生の生徒2人。
スタッフ:
「衣類たたんでもらえるよ」
レンタル高校生を利用・高橋さん(84):
「じゃあそうしてもらうか」
高橋さんに頼まれると早速、部屋の片付けを始めました。
これは、生活福祉科の「課題研究」の一環で、高校生が地域のお年寄りのもとに出向いて困り事などに応える「レンタル高校生プロジェクト」です。
以前から学校に招いて交流していましたが、より実践的に高齢者福祉を学ぶ機会になればと初めて生徒が出向く形で実施しました。
レンタル高校生を利用・高橋さん(84):
「誰も来ないからってみんな置いちゃうからいけないね」
5年前に夫に先立たれ1人暮らしの高橋さん。
部屋の片付けの他にこんなお願いも―。
レンタル高校生を利用・高橋さん(84):
「写真を撮りたいっていってもこの辺りしか写らないのよ、私を撮りたいの」
高校生:
「このボタンを押してもらうと、このカメラに切り替わる」
スマートフォンの使い方を教えてもらい、写真が撮れるようになりました。
レンタル高校生を利用・高橋さん(84):
「なんでもやってくれるんだなって、若いしね。大変きれいにしてもらって助かりました」
上田千曲高校 生活福祉科3年・山本知佳さん:
「私たちにとっては簡単なことでも、高齢者や使い慣れていない人は難しいとわかった」
一方、こちらでは壊れた畑の柵を新しく作る作業。出雲祐成さん97歳が依頼しました。
女子生徒たちは慣れない工具を使い木の角柱を切りそろえていきます。
切りそろえたら畑に打ち込み、木の板を張り付けて、悪戦苦闘しながらも無事に柵が完成しました。
レンタル高校生を利用・出雲祐成さん(97):
「重たいものもダメだね。こうやって打つことは力はいらない、助かる」
上田千曲高校 生活福祉科3年・塚原樹里さん:
「授業では学べないことが直接交流することで、高齢者が抱えている問題を知ることができた」
好評だった「レンタル高校生」。学校では、今後も機会があれば行っていきたいとしています。
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