撮影に先立ち、子どもたちの登場シーンを確認する是枝監督(中央)=昨年4月16日、旧城北小学校
カンヌ国際映画祭最高賞の「万引き家族」などを手掛け世界的な評価を受ける是枝裕和監督(60)の映画最新作「怪物」(6月2日公開)のメインのロケーション撮影地が、長野県諏訪地方だったことが配給会社から発表された。撮影は昨年3~8月のうちの約3カ月間、諏訪市の旧城北小学校や上諏訪駅周辺、岡谷市の釜口水門などで行われた。諏訪地方をロケ地に決めた理由ついて是枝監督は「学校から見える諏訪湖の見え方が魅力的だった。『ここで撮りたい』と(制作スタッフ)みんなが思った」と振り返った。
最新作は是枝監督と、テレビドラマ「カルテット」や映画「花束みたいな恋をした」などの脚本家坂元裕二さんが組んで生まれたオリジナル作品。音楽は世界で活躍する音楽家の坂本龍一さんが担当した。安藤サクラさん、永山瑛太さん、オーディションで選ばれた小学生役の黒川想矢さん、柊木陽太さんが主演。諏訪地方からも旧城北小学校に通った子どもたちをはじめ、上諏訪小や城南小の児童、保護者を中心に延べ約800人がエキストラで関わった。
是枝監督によると、物語の舞台は当初、大きな川が流れている街という設定だったが、諏訪湖を見た際に川を湖に変えたという。同監督は自身初の連続ドラマ「ゴーイングマイホーム」を諏訪地域や伊那市などで撮影している。約30年前に同市の伊那小学校を取材したドキュメンタリー番組「もう一つの教育~伊那小学校春組の記録」を「自分の出発点」と語り、その長野県で「(今回の)作品を撮影できたのは感慨深い」と語った。
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