試乗したL0系改良型の先頭車両=山梨県都留市
長野県の公益財団法人上伊那産業振興会(向山公人理事長)は14日、リニア中央新幹線の試乗会を山梨県都留市の山梨リニア実験センターで開いた。JR東海や県の協力で企画し、上伊那地方の商工団体や行政の関係者など約30人が参加。リニア整備計画に理解を深めるとともに、時速500キロの世界を体験した。
試乗したのは、営業仕様とされるL0(ゼロ)系改良型試験車両で、最高速度は500キロ。実験線42・8キロを約8分で走行する。先頭車両は空気抵抗を減らす形状となっており、静粛性を高めるとともに、消費電力の低減を追求しているという。
参加者はJRからリニアの全体計画や県内工区の状況について説明を受けた後、試乗に向かった。窓越しに試験車両が見えるエリアに案内されるとスマートフォンを向け、先頭車両をバックに記念撮影。期待感を高めながら試験車両に乗り込んだ。
車両は同センターを出発し、いったん東京方面に向かった後、折り返してぐんぐん加速。時速150キロで浮き上がり、500キロまで一気に速度を上げた。車内のモニターではリアルタイムで速度が表示され、500キロに達すると参加者はモニターを撮影したり、速度表示と一緒に記念写真を撮ったりした。
同会の向山理事長は「かなり前に一度試乗したことがあるが、乗り心地やデザインは格段に良くなっている」と話し、順調に開発が進んでいることを実感。その上で、「リニアをどう地域振興につなげていくかが課題だ。地域全体で考えていく必要がある」と改めて強調した。
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