絵本の読み聞かせ
子育てを支える託児所。長野市に、年中無休で急な予約にも対応する、その名も「注文の多い託児所」がある。立ち上げたのは災害を機に、さまざまな託児の要望に応えたいと考えた一人の女性だ。
【動画で見る】密着!子育て支える「注文の多い託児所」 365日、当日予約OK 災害を機に開所
■年中無休、可能な限り早朝夜間も、0歳から小学生まで、当日予約にも対応
子育て支える「注文の多い託児所」
2023年3月30日、朝―。
保護者:
「おはようございます。おねがいします」
利根真理子所長:
「おはよう。いってらっしゃい」
注文の多い託児所 けんけんぱっ(長野市)
子どもを連れた母親が続々とやってくる。ここは長野市安茂里にある国道19号線沿いの元食堂を改装して、2年前にオープンした「注文の多い託児所 けんけんぱっ」。
子どもをあやす利根真理子さん
施設の特徴はー。
注文の多い託児所 けんけんぱっ・利根真理子所長:
「365日いつでも対応、可能な限り早朝夜間もなるべく対応するようにしています」
施設は年中無休。0歳から小学生まで誰でも預けることができ、当日予約にも対応している。
■「注文の多い託児所」 台風19号災害の教訓から生まれた
注文の多い託児所 けんけんぱっ・利根真理子所長
立ち上げたのは代表の利根真理子さん(45)。
利根真理子所長:
「宮沢賢治の『注文の多い料理店』からお借りした。いろいろな注文をしてもらって、できるだけ応えていくという意味で『注文の多い託児所』にしました」
託児所をつくろうと考えたきっかけの一つは、4年前のあの出来事だ。
台風19号災害で千曲川の堤防が決壊(2019年・長野市)
2019年、台風19号で千曲川の堤防が決壊。多くの住民が避難生活を余儀なくされた。
当時、被災地に近い放課後児童クラブに勤務していた利根さん。被災した家庭の子どもたちを預かるボランティア活動に参加した。
被災した子どもを預かるボランティア活動に参加(提供写真)
利根真理子所長:
「朝早くから片付けのボランティアが来るので、その前にお子さんを預けて、片付けに入って、夜遅くまでかかって迎えに来る」
活動を通じて利根さんは、年齢や曜日で受け入れの制限があっては被災者のニーズに応えられないことを痛感した。
利根真理子所長:
「子どもたちもそういう大変な状況にいると不安定になり、片付け自体も進まなかったと思います。だんだん子どもが楽しく過ごして帰ってくるというのを重ねていくと『ありがとう』に変わっていくわけですね、保護者の見方や考え方が。やっててよかったなって」
県内の保育施設はおよそ600。これに対し、利用する子どもは5万人弱にのぼるが(2022年4月時点)、長野市や松本市では希望する園に入れない「待機児童」が出る状況が続いている。
こうした状況もあって利根さんは「さまざまな要望に応える施設が必要」と考え、自ら託児所を開く決心をした。
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