縄文中期の土器や住居址が見つかった曽利遺跡の発掘現場で行われた現地説明会
長野県富士見町教育委員会は25日、同町池袋の井戸尻考古館周辺にある縄文時代中期(約5500~4500年前)の「曽利遺跡」発掘現場で、現地説明会を開いた。地域の歴史に関心を持つ人や考古学ファンら約80人が参加。出土した土器を間近で見たり、竪穴住居の構造を聞いたりして、5000年前の生活に思いをはせた。
同遺跡は5年計画で史跡整備に向けた発掘を行っており、今年で2年目。7月中旬に調査を始め、2本の試掘溝から6軒の住居址、柱や墓とみられる竪穴55基、縄文中期初頭から中期中葉にかけての土器などが見つかった。
調査した学芸員の副島蔵人さんが解説を担当。「赤土のローム層に黒土が混ざっている部分が縄文人の暮らした跡」とし、囲炉裏の形や土器の模様を説明。「中期初頭の住居址や墓穴を見つけられたのは、集落の広がりを考える上での成果だった」と話した。参加者は出土した土器を興味深そうに見ながら、熱心に話を聞いていた。
親子で参加した岡田将彦さん(46)=木島平村=は「石が並んだ囲炉裏や土の色が変わっている住居址と一緒に土器を見て、ここに生活があったと実感できた」。娘(11)は「初めて掘っている所を見られて、楽しかった」と目を輝かせていた。
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