町制施行130周年記念式典で50年ぶりに開封するタイムカプセル。式典に先立ち、町役場で展示予定=諏訪湖博物館・赤彦記念館
長野県の下諏訪町は新年度、町制施行130周年記念事業として年間を通してさまざまな事業を展開する。6月30日の記念式典では、町制施行80周年の際に設置したタイムカプセルを50年ぶりに開封するほか、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボン宣言」を行う計画。全国市町村交流レガッタ大会やオリンピアン教室など多彩な切り口で節目を町民とともにお祝い。ポストコロナを見据え、全国に下諏訪の魅力を発信する機会にもする。
同町は、明治26(1893)年6月30日、町制を施行し、旧下諏訪村から下諏訪町となった。古くから諏訪大社の門前町として、中山道と甲州街道が合流する温泉宿場町として栄えた。製糸業の隆盛を経て東洋のスイスと呼ばれる精密工業都市として成長。八島ケ原湿原や星ケ塔遺跡など名所旧跡の多い観光の町としても発展してきた。
町制施行日には毎年、式典を開き、功労者表彰や感謝状贈呈を行っているが、今回の130周年記念式典では表彰に加え、タイムカプセル開封で町の歴史を振り返るとともに、ゼロカーボン宣言を行い、町民・事業者・行政が一体となって環境に配慮したまちづくりに向けてスタートを切る。
タイムカプセルは町制施行80周年のときに設置された。当時は町役場1階にあったが、庁舎の耐震化工事のため10年ほど前に諏訪湖博物館・赤彦記念館に移動された。幅1・1メートルの半球形カプセル内に納められた60センチ四方の木箱には「町勢資料」というプレートが付くものの、具体的な中身については開封するまで分からないという。新年度にはカプセルを役場1階で再展示し、町民の関心を高めたい考えだ。
最も大きな事業となるのは、全国市町村交流レガッタ下諏訪大会。9月30日からの3日間にわたり町漕艇場「下諏訪ローイングパーク」を会場に開き、ボート場が所在する全国32自治体の首長が集うボートサミットも同時開催する。800人以上の競技関係者の来場を見込み、経済や観光の振興にも力を入れる。
オリジナルナンバープレート作成事業では町在住・在勤者らからデザインを公募。”下諏訪らしい”1点を採用し、町民にプレートを付けた原付で走ってもらうことで、町の魅力発信につなげる。オリンピアン教室では水泳の五輪出場選手を招き、講演会とスポーツ教室を開催。NHKが提供する親子向けイベントも開く。諏訪湖博物館では町の成り立ちをたどる企画展を計画している。
2023年度一般会計当初予算案に関連事業費を盛った。宮坂徹町長はレガッタ下諏訪大会に向けて、「ポストコロナになる。しっかりと全国に下諏訪をPRし、呼び込みのきっかけにしたい」と意欲を見せた。
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