曽利遺跡の発掘現場で行われた現地説明会
富士見町教育委員会は19日、同町池袋の井戸尻考古館周辺にある縄文時代中期(約5000~4000年前)の「曽利遺跡」発掘現場で、現地説明会を午前と午後の2回開いた。午前中は雨が降るあいにくの天気にもかかわらず、地域の歴史や考古学に関心を寄せる約30人が参加。出土品や住居址を見ながら、調査員の説明を熱心に聞いた。
発掘は史跡整備に向けて遺跡の範囲を確認するため、5月11日から実施。同遺跡はこれまで南側が調査されたのみで正確な範囲が分かっておらず、今回は隣接する大花遺跡との境界付近の北側を対象に行っている。
2メートル幅の試掘溝6本を掘って遺構の広がりを調査した結果、中期初頭から晩期までの住居址10軒ほどを確認し、埋甕などを発見。完全な形に復元できる土器は少ないものの、中心に穴が空いた俵型の土玉や黒曜石の石匙、土製の耳飾りなども見つかった。
説明会では、調査員が柱の跡や墓として使われた竪穴などを紹介。住居址の形から時代を特定し、隣接する大花遺跡との境界を判定した根拠などを解説した。
近所に住む70代男性は「お墓と住居が同じところから発見されるのが面白い。説明してもらうと時代背景が分かって、興味も深くなる」と話していた。
[/MARKOVE]