切り絵作家・斉藤洋樹さん
特集は、独自の切り絵の世界を展開する長野市の作家です。作品は繊細かつ幻想的でSNSでも反響を呼んでいます。0.1ミリにこだわった作品の世界と制作に打ち込む様子を取材しました。
【動画で見る】0.1mmのこだわり 「切り絵」斉藤洋樹さんの世界
■ 「自分の中に雷が落ちた」
切り絵作家・斉藤洋樹さんの作品
ビルの谷間に咲く満開の桜。水面に揺れる高層ビルの明かり。いずれも色合いまで細かく表現された「切り絵」です。
作者は長野市の斉藤洋樹さん(29)。切り絵作家として活動して8年になります。絵を描くのが好きだった斉藤さん。高校時代、恩師から切り絵を紹介されました。
切り絵作家・斉藤洋樹さん
斉藤洋樹さん:
「自分の中に雷が落ちたというか、結構、衝撃があって『これだ』って。絵より細かい表現ができるところが自分の中でしっくりきた」
専門学校に進み、フィットネス関連の企業への就職が決まりましたが、結局、内定を辞退。切り絵への思いがずっと胸にあったと言います。
斉藤洋樹さん:
「やっぱり違うなという感じがして内定を辞退して、いろいろとアルバイトをしている中で趣味で、ずっと切り絵も続けていたんですけど、いろんな人に作品を見てもらったときに『趣味ではもったいないんじゃない』と言われる機会が多く、展覧会に出したのをきっかけに切り絵作家を名乗り始めた」
■ 0.1ミリにこだわり、1色ずつ
自分で撮影した風景写真がモチーフ
作家になって8年。技術はどんどん上達し細かな表現ができるようになりました。今は実家の一室を「アトリエ」にして施設管理の仕事のかたわら、制作に没頭しています。モチーフは自分で撮影した風景写真です。
斉藤洋樹さん:
「日常で歩いていて、ふときれいに見えるところがあったりして。そういうところを写真に収めて切り絵に」
0.1ミリ単位の世界
写真をA4サイズに印刷し台紙に重ねてデザインナイフでカット。0.1ミリ単位の細かい作業です。裏から自分で着色した紙を重ね、色合いを表現します。
斉藤洋樹さん:
「1色ずつ、青だったら青を入れる部分をまずカットして、裏から青い紙を貼って、今度は白だったり赤だったり、1色ずつカッティングして入れてというのを繰り返していく。まるっきり(写真の)そのまんまではなくて、『こうしたらよりきれいに見える』とかいうのを考えながら制作しているので、完成して対峙したときに自分でも驚く」
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