マスクを着用するなど感染対策を徹底し、綱打ちを行う上諏訪地区の氏子たち
来春の諏訪大社下社御柱祭に向けて、長野県諏訪市の上諏訪地区奉賛会は11日、御柱の曳き綱を製作する「綱打ち」を同市の旧東洋バルヴ諏訪工場跡地で開いた。同地区によると、11月の諏訪大社御柱大祭実施に関するガイドライン(指針)発表後、本番用の綱打ちは「おそらく初めて」。新型コロナウイルスの感染対策を徹底し、御柱総代と各委員会役員合わせて約300人が本番さながらの気迫と熱気で綱を仕上げた。綱打ちは12日まで行われる。
指針を踏まえて総代と役員のみの参加とし、2週間前から体温や体調、行動を記録。当日は委員会ごとに受け付け窓口を設けて参加者全員の把握に努めた。地区単位の3班に分け、グループ間の行き来を制限し、大声自粛、飲食は屋外のみ、終了後の直会も禁止する徹底ぶりだった。
神事で安全祈願し、道具類を清めた後、3班に分かれて綱についた。3本の綱束の両端にトラックを配置し、荷台に車輪型の綱打ち機を設置して3本をそれぞれねじりながら、1本により合わせた。木やりが響く中、指示係の掛け声に「さー、さー」と応え、手際よく綱を仕上げた。氏子の表情は明るく、笑顔が広がっていた。
同地区は秋宮二と秋宮一の曳行を担当する。曳き綱は前回同様に曳行用20本(予備含む)、飾り用7本を作るという。最大は里曳き用の元綱で234本の縄をより合わせ、長さ約20メートルほどの巨綱に仕上げる。出来上がった綱は「飾り綱」として、本番前まで旅館やホテル、店舗やJR上諏訪駅などに展示される。
神事後のあいさつで、奉賛会の大久保一会長(71)は「感染防止の注意事項に従って安全に綱打ちを」と呼び掛けた。綱打ちの準備を担当した山造委員会(57人)の大郷正人委員長(52)は「きょうはお祭りのスタートの日。それぞれの役割を楽しんでほしい。強く美しい綱を打ち上げたい」と話していた。
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