自ら栽培したマルメロから作ったシロップ漬けを商品化した松沢農園の松澤さん
長野県下諏訪町のりんご農家「松沢農園」の松澤邦江さん(63)は、同園で収穫したマルメロから作ったシロップ漬けを商品化した。マルメロそのものを味わってほしいと、果肉が残るように加工。下諏訪産の新しい加工品としてシールやラベルにもこだわった。数量限定のため今季の販売は残りわずかだが、毎年、製造を続けていく。
松澤さんで8代目となる松沢農園では代々、リンゴとともにマルメロを栽培してきた。昔は一般家庭でもマルメロのシロップ漬けを作っていた。ただ、マルメロは加工しないと食べることができないため単価が安く、栽培する農家は減少。同園では加工業者に出荷しているが、「農家ならではの」加工品ができないかと思いを温めていた。
知人である松本市の加工業者「加工組合さくら」に加工を依頼し、同社での試行錯誤を経てシロップ漬けが完成した。松澤さんは作り手の思いを一瓶に込めたとし、「マルメロの味と香り、食感を味わってほしい」と話している。
ラベルの絵は同町在住の画家、山崎直人さん(43)が担当。諏訪湖と山々を背景に黄色いマルメロの実と白い花を大きく描いた。山崎さんは「下諏訪には誇るものがたくさんあると伝えたい」と思いを話した。
1瓶の総量は365グラム。卸売価格1200円。諏訪の清酒入り。商品は同町の総菜店「オドリバデリ」に数個残るほか、26日に茅野市のイリセン湯川工場で行うイベント「干し場でマルシェ」(午前10時~午後3時)に10個ほど出品予定。
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