NBS長野放送
ブランド豚を守る家族です。長野県飯田市の養豚場が手掛ける「千代幻豚(ちよげんとん)」は、甘みと肉質の細やかさで人気です。今はエサ代の高騰にあえいでいますが、亡き父が残した「こだわりの豚」を家族で守っています。
【動画で見る】「肉が甘い」と人気!親子3代で守る「千代幻豚」
■ ブランド豚「千代幻豚」
とんかつ
肉厚のとんかつに。香ばしい生姜焼き。どちらも同じ豚肉を使っています。
松本市から:
「やわらかくて脂もそんなしつこくなくて、甘みもある感じですごくおいしい」
ブランド豚の「千代幻豚」です。
岡本養豚(飯田市千代)
手掛けているのは、飯田市千代地区にある岡本養豚。週20頭ほどの千代幻豚を出荷しています。現在のあるじは2代目の岡本佳世さん(59)です。
■ 味良いが生産性低い…かつての主要品種に着目
「中ヨークシャー種」(オス)
養豚場で唯一、飼われている「中ヨークシャー種」(オス)。千代幻豚の生産に欠かせない豚です。
岡本佳世さん:
「しゃくれあがってね、鼻が。見てこれ、かわいいよね。(父が)この中ヨークシャー種にたまたま出合いまして、こだわったものを作るしかないと」
岡本佳世さん(奥は中ヨークシャー種)
この豚に先代の陸身さんが着目したことが、千代幻豚の誕生につながりました。50年前、牛から豚に切り替えて生産を始めた陸身さん。生産性が高く,今も国内の8割ほどを占める「LWD種」を育てていました。次第に大規模な「企業養豚」に押されるようになり,陸身さんは1980年ごろ、生き残りをかけて品種改良に乗り出します。
中ヨークシャー種に着目して品種改良し、「千代幻豚」を生み出した・岡本陸身さん(2004年1月)
岡本陸身さん(2004年1月):
「われわれは小さな豚飼いなので、企業養豚と同じことをしてたらいけないので、千代幻豚を作り出した」
目をつけたのが、1960年代まで国内の主要品種だった「中ヨークシャー種」。肉と脂の質は優れていましたが、生産性が低く、数をかなり減らしていました。
■ 改良重ね約25年 「千代幻豚」を商標登録
岡本佳世さんと父・陸身さん(提供写真)
陸身さんは味と生産性の両立を目指し「中ヨークシャー種」の改良に乗り出します。佳世さんが手伝うようになったのはこの頃です。
岡本佳世さん:
「(父は)こだわりを持ってて厳しかったし、豚舎も建てたり、一緒になってやってきたから、本当に過酷でしたね」
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