今年も「上々の出来栄え」となった純米吟醸生原酒「維者舎」を手にする関係者=伊那市横山の春日社
長野県伊那市横山の住民グループ「横山維者舎」が育てた米を使い、清酒「信濃錦」蔵元の宮島酒店(同市)が仕込んだ純米吟醸生原酒の「維者舎」が完成した。18日には地元の春日社に新酒を奉納。維者舎の中村静男舎長(76)は「芳醇な香り濃く、上々の出来栄え。日本酒の好きな人には絶対に『うまい』と喜んでもらえる酒になった」と喜んだ。
米作りは、横山の豊かな自然と環境を地区外に知ってもらおうと着手し、4年目。今年は水田3カ所計37アールに酒米「美山錦」を栽培し、約1.6トンを収穫した。稲は毎年、農薬の使用をできる限り控えて栽培。維者舎の小林雅生事務局長(55)によると、今年は会員総出による除草作業を実施したものの、例年よりヒエなどの雑草が多く生え、昨年よりは米の収穫量が少なかったという。
酒米は今秋、乾燥を経て精米歩合50%で仕込んだ。宮島酒店の宮島敏社長(60)は「甘酸っぱさがあり、ジューシーでバランスの取れた味に仕上がった。食事と一緒に飲んでも料理の味を邪魔しない、いい味」と評価した。
酒は同日から上伊那地方の酒販店で販売し始めた。価格は税込みで1.8リットル瓶が3560円、720ミリリットル瓶が1780円。
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