原田泰治さんの絵画を表現した温かみのあるキルト作品がそろう会場
長野県諏訪市渋崎の原田泰治美術館で7日、「絵画キルト展-長野県受賞作品」が始まった。今年3月に亡くなった諏訪市の画家、原田泰治さんが描いた絵画を布と糸で再現するコンテストの企画展として、歴代の県内受賞作品から21点を展示。一針ずつ愛情を込め、ふるさとや風景を表現した力作が並ぶ。来年4月18日まで。
コンテストは、キルト愛好家の「原田さんの絵をキルトにしたい」との熱い要望に応え、2004年から始めた。原田さんの他界により、20年の15回を最後に終了。これまでに全国各地の愛好家570人から1150点の応募があり、展示会には25万人を超える来場者があった。
同館によると、原田さんは生前に審査員長を務め、「すごいね、すごいね」と作品の素晴らしさに感激。一筆一筆描き込む原田さんの作品世界を表現するため、多くの時間をかけて仕上げたキルト作品には情熱が感じられ、「大変な作業。立体感があって絵より迫力がある」と話したという。
ふるさと絵画、挿絵イラストの2部門を展示。パッチワーク、アップリケ、刺しゅう、布の染色などの技法を駆使し、4年がかりの力作もそろう。ともに最高賞となった茅野市の荒木恒彦さんの「ジャカランダの丘」、箕輪町の原孝子さんの「コウノトリの村」は草、空まで細密に表現された作品。原田泰治賞を受けた諏訪市(現横浜市在住)の五味かよ子さんの「福寿草」もあり、ふるさとの温かさが伝わる。
同館は「原田先生が毎回楽しみにしていた絵画キルトの作品展」といい、今後もテーマを変えながら企画展として開催したい考え。
期間中の12月14日からは「絵画キルト新作展」を同館ギャラリーさざなみで開く。コンテストは終了になったものの、今回県内外から寄せられた未発表の作品約30点を飾る。
午前9時~午後5時。月曜(祝日は開館)と28日~来年元日は休館。入館料は大人840円、障がい者と中高校生は410円、小学生200円。問い合わせは同館(電話0266・54・1881)へ。
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