長野放送
警察が全容解明を進めます。長野市の自動車販売店に代金を支払ったのに納車されないと複数の客から被害届が出ている事件。警察は26日、この店の元社長を詐欺の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、長野市丹波島の自動車販売店「デュナミス・レーシング」の元社長・小谷徹容疑者(63)です。
小谷容疑者は2021年12月から2022年1月までの間に、小諸市の30代男性から自動車販売の名目で現金320万円を口座に振り込ませ、だまし取った疑いです。自動車は納車されず男性が被害届を出していました。
同じような被害届や相談が相次いでいて、警察は2022年2月、家宅捜索を行い捜査を進めていました。
被害にあった女性(2022年1月取材):
「一部でもいいので返してほしい」
NBSは2022年1月、被害にあった長野市の女性を取材。女性は2021年1月、小谷容疑者と軽自動車を購入する契約を結び代金194万円を支払いました。しかし、納車されず返金を催促しても容疑者は「コロナの影響で半導体が不足し生産が遅れているだけ」を繰り返していたということです。
その後、容疑者とは連絡が取れなくなり、店も「もぬけの殻」となりました。
今回の容疑者逮捕に女性は…。
被害にあった女性(2022年10月26日取材):
「やっと捕まったなと。ほっとしてもいないですけど、ひっぱたきに行きたいです。自分がやった悪事をきちんと認めてとりあえず謝ってほしい」
関係者によりますと、被害の訴えは数十人にのぼり、額は1億円を超えるということです。
これまで行方をくらましてきた小谷容疑者。警察は所要の捜査で容疑が固まったことから、埼玉県の高齢者福祉施設にいたところを逮捕し、身柄を県内に移しました。
警察は余罪があるとみて、全容解明を進めています。
一方、小谷容疑者は「詐欺行為をしたつもりはない」との旨の話をしていて、容疑を否認しているということです。
この事件をめぐっては、小谷容疑者が行方をくらましたため土地と建物の所有者への未払いが続き、2022年3月に長野地裁が明け渡しのため強制執行し、建物はすでに解体されています。
また、民事訴訟でも長野市内の男性が代金150万円の返還を求める訴えを起こし、長野地裁が支払いを命じました。
さらに、2022年8月には、国土交通省北陸信越運輸局は、義務付けられた研修を受けていないなどとして、この販売店に20日間の事業停止の行政処分を出していました。
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