家宅捜索(2022年2月 長野市)
長野市の自動車販売店に代金を支払ったのに納車されないと複数の客から被害届が出ている事件で警察は、この店の元社長の男を詐欺容疑で逮捕しました。
【動画で見る】「金を支払ったのに…」 納車トラブル続出 長野市の自動車販売店「デュナミス・レーシング」の元社長(63)を詐欺疑いで逮捕
逮捕されたのは、長野市の自動車販売店「デュナミス・レーシング」の元社長・小谷徹(おたに とおる)容疑者(63)です。
長野市の自動車販売店(2022年5月撮影)
警察によりますと、男は2021年12月下旬から2022年1月中旬までの間、小諸市内居住の30代男性から、自動車販売名目で、容疑者が管理する金融機関口座に現金合計320万円を振込送金させてだました取った疑いがもたれています。
NBSは2022年2月、被害にあった女性を取材。女性によりますと、2021年1月、この販売店から軽自動車を購入する契約を結び代金194万円を支払いましたが、納車はされず返金を催促しても容疑者は「半導体が不足し生産が遅れているだけ」を繰り返していたということです。
その後、容疑者とは連絡が取れなくなり、店も「もぬけの殻」となりました。
左下・小谷徹容疑者(63)
関係者によりますと、被害は少なくとも十数人にのぼり、額は1億円を超えるということです。
複数人が被害届を出していて、警察は2022年2月、この販売店を家宅捜索、帳簿などを押収して経営実態などを調べていました。
警察によりますと、小谷容疑者は「詐欺行為をしたつもりはない」との旨の話をしていて、容疑を否認しているということです。
一方、警察は余罪があるとみて捜査しています。
長野市の自動車販売店(2022年8月撮影)
この販売店を巡っては、長野市内の男性が2020年10月に軽乗用車を購入するため代金150万円を支払いましたが、納車されず返還を求めて訴訟を起こし、2022年5月、長野地裁は原告側の訴えを認め、店側に150万円の支払いを命じました。なお、裁判にも容疑者は姿を現しませんでした。
行方をくらましたまま、土地と建物の所有者への未払いも続き、2022年3月、裁判所から申し立てを受け長野地裁が強制執行しました。
さらに、2022年8月には、国土交通省北陸信越運輸局は、義務付けられた研修を受けていないなどとして、この販売店に20日間の事業停止の行政処分を出していました。
なお、販売店の建物はすでに解体されています。
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