長野放送
対策が急がれる空き家問題です。長野県松本市では2800棟を超える空き家があると予測され、対策協議会を設けています。11日の会合では、事前に「家の終活」を市民に勧めていくことなどを話し合いました。
年々増加している所有者不明の空き家。倒壊する恐れがあるとして「行政代執行」で撤去する例が長野県内でも増えています。
先月には、須坂市の空き家にスズメバチが巣を作り、市が駆除作業を行った事例もありました。
自治体で空き家管理が課題となる中、松本市では対策協議会を設けています。空き家は2019年の市の試算で2839棟に上り、持ち主からの相談や近隣住民からの問い合わせも増加傾向にあります。
また、倒壊などの恐れがある「特定空き家」にこれまでに2棟を認定し、取り壊しも行っています。
11日の会議では、危険な空き家について、立入調査などの手続きを経ずに、緊急で最低限の応急処置を行えるよう、条例改正を行っていく方針が了承されました。
また、委員からは空き家を増やさないための取り組みについての意見も出されました。
協議会委員:
「相続をご自身のこととして捉えて相続登記をやっていこう、ということが根底にある」
所有する土地や建物などを記す「エンディングノート」の活用、いわゆる「家の終活」を市民に勧めていくことが提起されました。
松本市住宅課・高野敬吾課長:
「身内の方でも土地がどうなっているか、家屋がどうなっているかわからないケースが増えている。エンディングノートである程度整理をつけていただくと、残った方々がしっかりと対応できることになるのではないかと考えています」
市では今後、法務局などが作成したエンディングノートの周知も進めていくとしています。
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