右・亮太さんの父・野村敏明さん 左・亮太さんの叔父・野村正則さん 提供:木曽町
御嶽山噴火災害からまもなく8年。行方不明になっている愛知県の大学生・野村亮太さんの家族らが山頂近くの立ち入り規制区域で独自捜索を行いました。犠牲者のものとみられる帽子や腕時計を発見しましたが、亮太さんの手掛かりは見つかりませんでした。
【動画で見る】不明者家族が独自捜索…息子の手がかり見つからず 犠牲者の帽子、腕時計発見も
21日朝の御嶽山頂は青空がのぞいていました。王滝村から頂上を目指すのは、愛知県の野村敏明さんと弟の正則さんです。
亮太さんの叔父・野村正則さん:
「手がかり的なものが見つかれば一番望ましいというか、うれしい」
8年前、当時19歳だった敏明さんの長男・亮太さんは叔父の正則さんと共に山頂直下の「八丁ダルミ」で噴火に巻き込まれました。
ザックなどは見つかりましたが、行方は分からないままです。
2時間半ほどで「王滝頂上」(2936m)に到着―。
亮太さんの父・野村敏明さん:
「できることなら亮太を見つけたい」
立ち入り規制が続く八丁ダルミ。村は今後の登山解禁もにらんでシェルターをつくる予定でしたが、噴火警戒レベルが一時引き上げられた影響で工事ができませんでした。
野村さんたちは2年前から村の許可を得て年に1回だけ独自の捜索を続けています。
亮太さんが身を隠した可能性がある岩陰をスコップで掘り起こすなどして手がかりを捜しました。
3時間の予定でしたが小雨が降り出し30分短縮。犠牲者のものと見られる帽子や腕時計を発見しましたが、亮太さんの手がかりは得られませんでした。
亮太さんの叔父・野村正則さん:
「『亮太出てこい』と呼びながら掘ったんですけど、叶わなくて悔しいというか…残念です」
亮太さんの父・野村敏明さん:
「(亮太さんには)何かしらサインというか痕跡を出してくれと。また1年、待たせてしまうけど来るからねと、現場を後にした」
今月27日で噴火から8年。
兄弟はいずれ入山規制が緩和され、納得のいくまで捜せる時を待っています。
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