長野放送
特集は児童が営む野菜の直売所です。取り組んでいるのは、高原野菜の産地・長野県南牧村の小学6年生。代々、受け継がれ、今年でなんと40周年です。この時期、児童は収穫に販売と、忙しい日々を送っています。
大きなキャベツに取れたてのナスやピーマン。新鮮な野菜が並ぶこちらは、南牧村にある無人直売所「南小店」です。
その名が示す通り、運営しているのは「南牧南小学校」の6年生。学校の横の畑で児童たちが育てた野菜も並んでいます。
6年生:
「児童の力で育てたところに注目して買ってほしい」
近くに勤務:
「取りたてのがあるんで、持っていって職場で食べる。それが一番の魅力かな」
東京から:
「新鮮なものがいっぱいあるのと、子どもたちが作っているという気持ちがすごくうれしい」
毎年好評のこの取り組み、今年で40年の節目を迎えました。「南小店」が始まったのは昭和57(1982)年。6年生が授業でジャガイモを栽培したことがきっかけでした。
南牧南小学校・栗林幸治校長:
「家に持って帰っても、たくさん同じような野菜があるということで、捨てられたり、食べられなかったり、もったいないと。何かいい方法はないかということで(販売を始めた)」
南牧村は高原野菜の産地。指導者には不自由しません。地域の農家や保護者に教えてもらい、栽培する野菜を増やしていきました。ちなみに、小学校は標高およそ1370メートルと日本一高い場所にあります。
南牧南小学校・栗林幸治校長:
「高原野菜をなりわいとしている地域なので、子どもたちにも体験してもらって、地域の良さを知る、特色に触れる、そういう願いがあったのでは」
「野菜買ってください!」
7月、今シーズンの販売が始まりました。
「おいしい野菜、売ってます」
野菜は児童たちが育てたものの他、保護者や近くの農家の持ち込みもあってなかなかの量です。
6年生:
「この学校の伝統的な行事だから、伝統を守っていければなと。40年も続いているなんてすごい」
9月2日―
シーズン中は毎朝、授業が始まる前に6年生の当番が持ち込まれた野菜を並べたり、値段を決めたりしています。
6年生:
「ちょっと高くない?1袋10個入ってるって」
「じゃあ30円ぐらい?」
その日の「おすすめ品」も決めます。
6年生:
「見えやすくしたりとか、きれいに見えるように並べている。売れてると、頑張ってよかったみたいな」
そのあとの1時間目は畑で収穫作業。ナスやピーマンがピークを迎えていてこのところ、ほぼ毎日、収穫しています。
6年生:
「(化学)肥料も与えてないから、これだけ育つのはすごい。多分、喜んでもらえると思う」
今後、レタスや白菜などの出荷も本格化していきます。
6年生:
「レタスとかまだ残っているから、それ(無事に)取れたらいいな」
収穫した野菜はすぐに店頭へ。基本的には無人ですが、児童が接客することもあります。
6年生:
「こんにちは」
客:
「きょうは何がおすすめ?」
6年生:
「トマト、取れたばっかり」
客:
「トウモロコシをもらいます。2本」
6年生:
「ありがとうございました」
9月3日―
週末、店は県外からの客も訪れる人気ぶりです。
都内から・水野幸子さん:
「ここの、いつもすごく楽しみにしている」
都内在住の水野さん一家。4年ほど前から、旅行で村を訪れるたびに利用しているそうです。
都内から・水野幸子さん:
「思いがこもっていて、作った人(児童)の。自分の生まれた地域を誇りに思うというのは、こういうことなんだろうなと」
6年生:
「ありがとうございました」
都内から・水野幸子さん:
「大事に食べさせていただきます。ありがとう、また来るからね」
野菜を一生懸命、育て、そして地域の人の分まで販売します。
「南小店」の営業は10月中旬ごろまで続き、児童は「南牧の野菜をたくさん食べて、元気になってほしい」と話しています。
6年生:
「いろんなお客さんに、40周年ということでたくさん来てほしい」
「コロナの状況なので、元気を出せる野菜を作って、地元の皆さんを元気づけたい」
野菜の売上金は学校の備品購入に充てられるということです。
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