細心の注意を払って乗降チェック(長野市の通園バス)
通園バスの悲劇をどう防ぐかです。バスの中に置き去りにされ、去年7月、福岡県で5歳の男の子が、そして今月5日には、静岡県で3歳の女の子が亡くなりました。国が再発防止を求める中、繰り返された悲劇。事故をなくそうと細心の注意を払って運行している長野市の幼稚園を取材しました。
乗務員:
「おはよう」
制服姿の園児が次々と乗り込みます。長野市の安茂里幼稚園の通園バスです。
園児たちを安全に送り届ける通園バス。今月、再び悲劇が起きました。
静岡県牧之原市の認定こども園で今月5日、3歳の女の子が車内に長時間、置き去りにされ、死亡しました。死因は熱射病。車内で見つかった女の子の水筒は空になっていたということです。
園は7日の会見で、「運転手が、園児が全員降りたかを確認していなかったこと」「登園予定の園児が教室にいなかったにもかかわらず、確認を怠ったこと」などを明らかにしました。
同様の事故は去年7月、福岡県で起こったばかり。この時は5歳の男の子がバスの中に長時間、放置されて死亡し、国は全国の施設に再発防止を求めていました。
長野市の安茂里幼稚園。園長は相次ぐ事故に胸を痛めています。
安茂里幼稚園・下城早苗園長:
「信じられないというのと、バスに残されたお子さんの気持ちを考えるといたたまれない」
安茂里幼稚園はどのような対策をしているのでしょうか。出発前、バスに乗る職員が手にしていたのはチェックシートです。
安茂里幼稚園・下城早苗園長:
「×だと乗らない、それ以外の子は乗るという形で朝の当番がシートに書き入れている。どこのバス停で何人乗る、誰が乗るのを把握した上でお迎えに行くようにしている」
保護者は、出欠やバス利用の有無を事前にアプリで入力する決まりになっていて、その結果をシートに書き込んで、毎回、確認に使っています。
園児たちがバスを降りた後は…。
安茂里幼稚園・下城早苗園長:
「子どもがいないのはもちろんなんですけど、忘れ物とか落とし物とか座席の下に落ちているので、座席の下まで確認して降りるように」
必ず、乗務の職員と運転手が2人で車内に園児が残っていないかなどをチェックします。
安茂里幼稚園・下城早苗園長:
「子どもたちがしっかり降りたか、誰が登園したか園の方で把握できるようにして、きちんと毎日やるべきことをやっていれば(同様の事故は)起こらないと感じている」
通園バスを利用する保護者は…
通園バスを利用する保護者:
「(置き去りは)ありえないと思ったのが一番。車内にいるかいないかの確認は絶対にしていただかないと。そこを怠られると、どうしようもない」
園は、以前から、念入りにチェックするよう心掛けてきましたが、相次ぐ事故を受けて、一層、気を引き締めて運用したいとしています。
安茂里幼稚園・下城早苗園長:
「私たちの園でももう一度しっかり(安全運行について)見つめ直して、お子さんを安全にお預かりして安全にお返ししていきたいと強く思っている」
長野放送[/MARKOVE]