長野県茅野市高部地区の御柱祭の参加者
祭りでつながった二つの被災地です。土石流災害からまもなく1年の長野県茅野市高部地区で御柱祭が行われました。災害の爪痕が残る中、過去、大きな土砂災害から立ち直った小谷村からラッパ隊が駆けつけ、地区を勇気づけました。
【動画で見る】災害の爪痕が残る中…復興願う「御柱祭」
御柱の曳行(2022年8月28日)
御柱をにぎやかに引いていく住民たち。8月28日、茅野市宮川・高部地区で行われた御柱祭です。諏訪地域では春の諏訪大社御柱祭のあと、小さなお宮・小宮でも御柱祭が行われます。
高部地区・小林洋一区長
小林洋一区長(53)は格別な思いで祭りを迎えた一人です。
「がんばれよ、男」
御柱の曳行
高部地区・小林洋一区長:
「来週になれば災害1年目になるけど、だいぶ村の人たちもこのコロナ禍だけど、きょうも大勢の方(が来て)人の手で小宮祭を行えそうなのでうれしく思います」
2021年9月5日夜
2021年9月5日の夜。大雨により地区を流れる下馬沢川で土石流が発生。住宅を襲いました。
被災直後
住民同士が声を掛け合って避難し、けが人はいませんでしたが…
住宅と事務所が全壊。
住民(当時):
「もうあぜんしかない。帰ってこられないと思うとせつない」
小林区長の自宅
小林区長の自宅も…
高部地区・小林洋一区長(当時):
「床下浸水になっているので、床を壊してポンプで水をあげている」
全壊9軒、床上・床下浸水69軒という大きな被害が出ました。
災害からまもなく1年の高部地区
あれからまもなく1年。一部に土砂や大きな石が残る中、災害復旧工事が続いています。住宅は多くが復旧しましたが、現在も3世帯が県営住宅に避難しています。
御柱の曳行
高部地区・小林洋一区長:
「(綱が)ゆるくならないようにな」
そうした中、諏訪大社の御柱祭に続き小宮の御柱祭を迎えました。
高らかに響き渡った木遣(きや)りを合図に曳行(えいこう)が始まりました。御柱は長さおよそ10メートル、直径およそ90センチ。住民が力を合わせて引っ張ります。
住民は…
住民:
「みんな知り合いだもん、一番楽しい。昔からまとまっている地区だから、なお一層まとまっていいんじゃないかな」
「災害があったので気分がダウンしていたのが、この祭りでみんな一気にアップしているかな」
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