水揚げした小ブナをバケツに移して重さを計量するJA上伊那の職員=駒ケ根市内
長野県上伊那地方の秋の郷土料理「小鮒の甘露煮」に使われる小ブナの出荷が29日、駒ケ根市内で始まった。体長3~5センチほどに育ったフナがいけすから水揚げされ、生きたままJA上伊那の店舗へ運送。出荷は9月中旬にピークを迎え、鮮魚や甘露煮として店頭に並ぶ。
小ブナは同市と中川村、飯島町のJA上伊那鮒部会員9人が養殖。10月上旬にかけて計6トンほどの出荷を予定している。
部会長の西村政雄さん(67)=同市南割=は5月下旬から休耕田で小ブナを育て、出荷に向けた泥抜きのため数日前に自宅敷地内のいけすに移したという。この日は西村さん宅で今年初の出荷作業が行われ、JA上伊那の担当者らが網で小ブナをすくい上げて重さを計量。新鮮な状態のまま手際よく袋や箱に詰め、103キロを出荷した。
今年の小ブナは「暑さの影響もありやや小ぶりだが、食べるにはちょうどいい大きさ」と西村さん。「農薬は使っておらず栄養価も高いので、おいしく調理して食べてほしい。素揚げもお薦め」と話していた。
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