システム開発に携わった沖電気工業の浜口雅春部門長から説明を受ける白鳥孝市長=伊那市役所
長野県伊那市は20日、同市への移住希望者がインターネット上で質問に答えると、市内の居住を想定したライフプランを提案する「AIチャットボット・移住ライフデザイン」の運用を始めた。利用者の要望に応じて人工知能(AI)が「暮らし、住まい、学び、仕事」の4項目に約7000通りの回答をする仕組み。白鳥孝市長は「個々の要望に応える画期的なシステム。積極的な活用を」と呼び掛けた。
同システムは2020年、同市と新産業技術の適応に関する包括連携協定を結んだ通信機器大手の沖電気工業(東京都)が開発した。
利用者の問い合わせにAIが対話形式で回答する「チャットボット」の機能を活用。家族構成や「現在の生活の不満」「伊那市でしたいこと」など6項目の質問に回答すると、「伊那市のおすすめライフプラン」と関連情報を紹介したホームページのアドレスが表示される。
市は開発に当たり、移住に関する直近3年分計1500件のデータを提供。6項目の質問に対し、入力した回答の単語や文面の内容から移住希望者が必要とする「最も知りたい情報」をAIが推論、分析し、「最善の回答を導き出すシステムに仕上げた」(同社)という。
市が受け付けた17年以降の移住相談件数は、18年の年間660件を最高に昨年まで毎年500件以上を維持。18年の131人をピークに毎年100人以上の移住が実現した。今年に入って特色ある義務教育や新産業技術などが相次いでメディアに取り上げられると移住の問い合わせが「急増した」(市)という。
市は「AIチャットボットは24時間対応できる相談窓口として活用してほしい」と呼び掛けた。伊那市公式ホームページからアクセスできる。
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