信州新町のジンギスカン
特集は長野市信州新町の名物・ジンギスカンです。地域で最も多くの羊を抱えていた生産者が、新型コロナの影響などで引退を検討。そこで名物を絶やすまいとジンギスカンを提供する「旅館」が、飼育に乗り出しました。
■ 深い味わい名物の味
さぎり荘
香ばしく焼き上がった、ジンギスカン。
客:
「本当においしいですね」
ここは信州新町の旅館「さぎり荘」。日帰り入浴もできる温泉と共に人気なのが、レストランで提供される地元産サフォーク種の肉です。タレに漬け込んだジンギスカンのほか、塩で食べるシンプルな焼き肉も評判です。
ジンギスカン
客:
「肉のうま味がギューッと出てくるので絶対、食べてほしい」
「全くくさみがないし、サフォークってこんな感じなんだ、衝撃的です。正直言ってびっくり」
■ 大規模生産者が引退検討…新型コロナも影響
長野市信州新町
ジンギスカンと言えば信州新町。店が立ち並ぶ国道19号線は「ジンギスカン街道」とも呼ばれています。しかし、コロナ禍の影響は店を支える生産者にも…。
黒い顔と手足が特徴のサフォーク種。肉はクセが少なく、深い味わいで、流通量が少ない国産は高級品です。
サフォーク種の生産者・峯村元造さん
峯村元造さん:
「はい、ゆっくり食べて」
生産者の一人、峯村元造さん(57)。
峯村元造さん:
「人間に声をかけるのと同じ。健康でいてもらえると、こちらも手がかからずに済む。おいしいお肉になってくれる」
地域の生産者は6軒ほど。峯村さんが最も多く飼育してきました。しかし…
峯村元造さん:
「羊をやめようかどうしようか、というところ」
コロナ禍で飲食店などが打撃を受け、羊の売り上げも例年の半分近くまで減少。さらにエサ代の高騰や高齢の親の世話も重なり、峯村さんは引退を考え始めました。
峯村元造さん
峯村元造さん:
「やめられると困るということで、引き留めを受けているところ。支援してくださった皆さんを考えると、つらいものがある」
■ 名物を守るため…「さぎり荘」が羊飼育
サフォーク種
そこで立ち上がったのが、冒頭で紹介した、旅館のさぎり荘です。
さぎり荘・小山宙軌所長:
「ここの羊は、全てさぎり荘の羊になります」
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