活性化と再整備に向けて官民連携の検討が始まる霧ケ峰高原
長野県諏訪市は、霧ケ峰高原の活性化に向けた具体的な施策を検討するため、観光・地元関係者や民間事業者などから提言を受け、意見交換をする「KRTプロジェクト」に着手する。市は14日、キックオフ会議を市役所で開き、霧ケ峰高原活性化・再整備検討調査の結果を報告し、意見交換を始める。席上、霧ケ峰でイベントを実施した場合に市内の宿泊料金を割り引く新規事業が発表される見通しだ。
KRTは「霧ケ峰」のK、「リボーン」のR、「タスクフォース」のTを並べたローマ字略語。「霧ケ峰をもっと良くするための特別チーム」(市観光課)という意味を込めた。地元の旅館組合や牧野組合、自治会をはじめ、商工会議所や観光協会、民間事業者ら約20人で発足する。
プロジェクトは、霧ケ峰の観光振興と市有施設の現状や課題をまとめた霧ケ峰高原活性化・再整備検討調査を踏まえ、市が今年4月に発表した「霧ケ峰高原の活性化と再整備の方針」に基づく取り組み。観光・地元関係者、民間事業者、専門家から提言を受け、意見交換をする「場」としてKRTを設置する。
意見交換は2年間で、定期的に開いて提言を受ける。実行に移せるアイデアは民間主導、官民連携を視野に取り組む方針だ。リフトやキャンプ場、スポーツ施設などの市有施設は、民間活力導入で収益力・集客力を向上する提案を募り、2024年度中に市の方針を決定する。14日は調査結果を説明し、KRTプロジェクトを発足させ、意見交換を行う。
市によると、霧ケ峰高原の観光客数は03年の319万人をピークに減少し、21年は新型コロナの影響もあって145万人に落ち込んだ。市営のリフト事業は慢性的な赤字続きで、市は市単独での採算性向上を断念。新規整備や改修、維持、廃止といった選択肢を念頭に、民間のノウハウを生かして収益、集客向上の可能性を模索していく方針を示している。
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