「山紫」を手に「味は良い」と語る城倉友幸さんと村田純さん(右)=伊那市役所
長野県伊那市が特産化を進めるヤマブドウ「信大W―3」を使ったワイン「山紫」の販売が23日から、市内を中心に南信地方の酒販店で始まった。昨秋収獲した果実は質、量ともに良好で、今季は過去最多の1430本(720ミリリットル瓶、税込み価格2500円)を出荷する計画だ。
「信大W―3」は、信州大学農学部(南箕輪村)と市が連携して開発したワイン醸造用の新品種。生活習慣病予防につながるとされる抗酸化物質ポリフェノールが、他品種のブドウよりも多く含まれているという。
やまぶどう生産者の会の城倉友幸会長(72)によると、昨秋は市内の農家9戸の畑計2ヘクタールで、果実1871キロを収穫。伊那ワイン工房(同市美篶)で8カ月間醸造し、瓶詰めした。工房を営む村田純社長(61)は、今季のワインを「辛口のミディアムボディ。ヤマブドウワインにありがちな鋭い酸味が緩和され、上々の味」と表現した。
城倉さんは「木が順調に育ち、安定して収穫ができるようになった。ワイン醸造に適した基準の糖度を確保するため、施肥など細かな栽培方法を農家に伝え、品質第一で果実が収獲できるように心掛けた」と話した。問い合わせは市農政課(電話0265・78・4111)へ。
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