阿部氏は新型コロナ対策の渦中であることから、「この段階で知事を降りることは責任放棄に近い」と5月17日に出馬表明。公約はコロナ禍や価格高騰などの「危機突破」と「県の可能性を最大限引き出すことによる真に豊かな社会づくり」を大きな方針としてまとめ、参院選後に発表するとしている。
前回選では自民、公明、旧国民民主、旧立憲民主の各党から推薦されたが、今回は「原点に立ち返って、一党一派に偏らずすべての県民の思いを受け止めたい」として、政党からの推薦は受けない姿勢。ただし、選挙活動への協力は政党も含めさまざまな団体から受ける考えも示している。公務は多忙だが、「県民と対話し思いを訴えることも重要」として、新型コロナ感染者が急拡大するなどの臨時的な対応が重ならなければ積極的に遊説に出る意向だ。
金井氏は前回選同様、労働者組合や共産党でつくる「明るい県政をつくる県民の会」の要請を受け、4月28日に立候補を表明した。阿部氏の県政を「県民の暮らしに目を向けていない冷たい官僚政治だ」と批判し、県民の暮らしに寄り添う「あったか県政」への転換を主張。県民のさまざまな声を聞くために県内77市町村を巡り、市町村長との会談や街頭演説に精力的に取り組んでいる。
前回選で「リニアよりクーラー」と主張し、関心を集めた金井氏。各地での街頭演説では有権者からの期待の声が寄せられてるといい、「給食費の完全無償化は必ず実現させたい」と意気込む。4年前と比べてアベノミクスの失敗や長引くコロナ禍、ウクライナ情勢などにより県民の生活が苦しくなっているとし、「県が果たす役割についても争点にしたい」としている。[/MARKOVE]