長岡春奈さん
性的少数者LGBTQ、当事者からのメッセージです。「君は一人じゃない」、そう呼び掛けたのは、心と体の性が一致せず、幼い頃から苦しんできた長野県松本市の女性。13日、大町市の小学校で講演を行いました。
大町市「人権を考える市民の集い」(大町北小学校・13日)
長岡春奈さん:
「2011年、『春奈』という名前に変えました。生まれた時は男だったわけですから、『春奈』という名前じゃなかったんですよ」
松本市在住の長岡春奈さん(62)。13日、大町北小学校で講演し、子どもの頃は「地獄のような生活だった」と語りました。
提供写真
長岡さんは生まれた時の心と体の性が一致しない「性同一性障害」で、保育園のころから違和感に悩み、いじめや差別を受けていました。
長岡春奈さん:
「学校に行くと、女っぽいといじめられるんです。『感染するから近寄るな』と言われて仲間外れにされていました。つらい、つらい、つらい…何も楽しいことが残っていない小学校時代」
2014年取材
理解の乏しい時代に苦しい思いをした長岡さん。2012年、53歳で性別を女性に変更し、今は講演や当事者の相談に乗るなど経験を生かしています。
現在、LGBTQに該当する人は人口のおよそ10%いるという調査もあり、多様性を尊重しようという意識が高まりつつあります。
長岡春奈さん
長岡春奈さん:
「(自分が差別された)この時代と今は違うんです。今、みんなは苦しければ言えばいいんです。こういう人たちを見ておかしなやつだと思っちゃだめだと。それは間違っています。きょうでその考えを捨ててほしい。誰を好きになってもおかしくないよ、みんな違って、みんないいんだと。みんな『自分らしさ』と思ってほしい」
そして、自身が中学校の教師や高校時代の友人、母親に救われた経験から、こう呼びかけました。
長岡春奈さん:
「だれか一人、自分の味方がいれば生きていけます、人は。君は一人じゃないよ、だからしっかり生きていくんだと、自分で信じてほしいと思います」
講演を聞いた児童は―[/MARKOVE]