地獄谷野猿公苑(長野県山ノ内町)
外国人観光客の受け入れが6月10日に再開します。インバウンドに力を入れてきた長野県内の観光地は、再開に期待を寄せる一方、外国人観光客がマスクを着用するのかなど不安も抱えながら準備を進めています。
6月10日に、いよいよ再開する外国人観光客の受け入れ。政府は7日、再開に関するガイドラインを公表。当面は、添乗員が同行するツアー客に限定し、旅行業者は外国人客にマスクの着用や手指の消毒、3密の回避などの徹底を求めることなどを盛り込んでいます。
県内の観光地は…
白馬村観光局・吉沢紘一 マーケティングマネージャー:
「前に進み始めたかなというのは、感覚としてあります」
インバウンドに力を入れてきた白馬村。コロナ禍前の2019年は観光客およそ240万人、そのうち外国人は28万人。コロナ流行後の2021年は外国人客が訪れなかったことも影響し、観光客は140万人に落ち込みました。
円安傾向もあり、冬場のシーズンに向けて外国人客の復活に期待を寄せています。
白馬村観光局・吉沢紘一 マーケティングマネージャー:
「コロナ禍前に戻るのはなかなか難しいけど、自然の中でマスク外せる機会も増えていけると思うので、ぜひ皆さんに白馬に来ていただけたら」
こちらは村内のホテル「対岳館」。8日までに外国人客向けに用意した10部屋は、この冬のシーズンは3割ほど予約で埋まったということです。
対岳館・丸山徹也代表取締役:
「ようやくここまできたか、という気持ちで期待しています」
期待の一方で不安も…。外国人客が館内でマスク着用など感染対策を徹底してくれるのかが気になっています。
対岳館・丸山徹也代表取締役:
「なぜ建物の中でマスクをしなければいけないのか、不織布のこういうタイプのマスクでなければダメだとか、はっきり示してあげないと戸惑いますし、日本の皆さんとトラブルのもとになると思いますので、その辺を明確にしたい」
ホテルでは注意を呼びかける看板を英語版やピクトグラムなどを使ったものに作りかえる予定です。
山ノ内町の「地獄谷野猿公苑」。今の時期は生まれたての赤ちゃんの姿を見ることができます。地獄谷野猿公苑と言えば雪の中で温泉に浸かる「スノーモンキー」が世界的にも有名です。
コロナ禍前は外国人観光客が全体の半分ほどを占めていました。しかし、コロナ禍で訪れる人は例年の4割ほどまで減りました。施設側も受け入れ再開を喜んでいます。
地獄谷野猿公苑・滝沢厚さん:
「(これまで)再開のめどがたったと思ったらコロナが増えてきて途絶えたりというのがあった。インバウンドの回復の兆しということで、非常に期待するニュースとしてとらえている」
地獄谷野猿公苑は屋外ではありますが、外国人客にかかわらず当分の間はマスクの着用を呼び掛けます。
地獄谷野猿公苑・滝沢厚さん:
「距離をとりながらとか、会話をするときにはマスクをするとか、簡単なことを気を付けてやっていけば、みんな安心して観察できる状況が続けられるのかなと」
およそ2年ぶりに戻ってくるインバウンド客。県内の観光地は大きな期待と少しの不安を抱えながら準備を進めています。
長野放送[/MARKOVE]