つぶした煮豆に米こうじと塩を混ぜる山小屋の管理人=伊那市西箕輪
長野県伊那市の第三セクター伊那市観光(社長・白鳥孝市長)は24日、運営する山小屋で使う手造りみその仕込み作業を同市西箕輪にある白鳥市長の自宅で行った。みそは1年間熟成させた上で来季、南アルプスのこもれび山荘、仙丈小屋、塩見小屋、中央アルプスの西駒山荘で、登山者にみそ汁として提供する。
白鳥市長宅には昔からみそを仕込む習慣があり、市長自身が「山小屋で使うみそを仕込んでみては」と提案。コロナ禍で中止した昨年を除き、2017年から毎年この時期に山小屋の管理人が集まって作業している。今年も同市野底産の大豆45キロを使用。庭に置いた大釜で炊き上げ、機械でつぶした後、市内の宮島酒店製の米こうじ、塩を混ぜて容器に詰めた。熟成を経て約150キロのみそになる。
この日午前4時45分に釜の火入れをした白鳥市長は「昔ながらの原料で造るシンプルなみそ。多くの登山者に食べてほしい」と期待。西駒山荘管理人の宮下拓也さん(45)は「登山者にはアルプスの自然の中で、地元の食の恵みを満喫してほしい」と話した。
山小屋は仙丈小屋が6月15日、塩見小屋が7月1日、西駒山荘が同9日から営業を始める。塩見小屋管理人の岡和宣さん(56)は「コロナ対策は万全。土日に限らず平日にも分散して宿泊を」と願い、仙丈小屋管理人の狩野俊一さん(43)は「今季は2年熟成のみそを使う。ぜひみそ汁を飲みに来て」と呼び掛けた。
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