自動車販売店から運び出された車（長野市・19日）
長野市の自動車販売店に代金を支払ったのに納車されないと相談が相次いでいる問題。社長と連絡が取れていない状況が続いています。土地と建物の所有者が明け渡しを申し立て裁判所は5月19日、強制執行しました。
長野地裁の強制執行
午前10時、長野地裁の職員らが長野市の自動車販売業者に入りました。建物と土地を所有者に明け渡すための強制執行です。
（記者リポート）
「大量に置かれていた車のカタログとみられるものを、次々と段ボールにつめています」
この自動車販売業者を巡っては、契約をして代金を支払ったのに車が納車されないと相談が相次いでいます。被害は少なくとも数十人、額にして1億円を超えるとみられています。
被害を訴える女性（今年1月取材）
被害を訴える女性（当時）：
「一部でもいいので、もし返金してもらえるのであればありがたい」
こちらの女性は去年・2021年1月、店から軽自動車を購入する契約を結び代金194万円を払いました。
しかし、納車はされず、返金を催促しても社長は「半導体が不足し生産が遅れているだけ」と繰り返したということです。
その後、去年12月から社長とは連絡がつかず…行方が分からない状況が続いています。
警察の家宅捜索（2月）
警察には複数の被害届が出されていて、今年2月、警察が詐欺の疑いで家宅捜索をするなど捜査を進めています。
社長は行方をくらましたまま土地と建物の所有者への未払いも続き、今年3月、裁判所から土地と建物の明け渡しが命じられました。
ただ判決の後も依然として社長は姿を見せず…。
19日、土地所有者からの申し立てを受け長野地裁が強制執行しました。
運び出すためつり上げられた車（19日）
（記者リポート）
「駐車場に置かれていた車が今、つり上げられました。これも運びだされるものとみられます」
敷地内にあった数台の車も運び出されました。
立ち会った所有者の男性は取材に対し「去年12月から連絡はとれていない、多くの人に迷惑をかけているので早く顔を出して謝ってほしい」とコメントしています。
建物は今後、解体する予定だということです。
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