水質の改善がみられた諏訪湖
長野県諏訪地域振興局は2021年度に諏訪湖で行った水質調査の結果（速報値）を発表した。水の汚れを示す代表的指標のCOD（化学的酸素要求量）75％値、全窒素、全りん、透明度の年平均値の4項目のうち、CODを除き前年度比で改善した。全窒素と全りんは、湖の総合計画「諏訪湖創生ビジョン」で掲げる目標値を達成した。
調査は湖面が結氷した今年1月を除く、昨年4月から今年3月まで毎月1回実施した。湖心と初島西、塚間川沖200メートルの3カ所で湖水1リットル当たりの各項目を調べ、透明度は白い板を湖に沈めて計測。3地点で最も悪い場所の数値を公表した。
CODは国の環境基準で評価される75％値で湖水1リットル当たり5.5ミリグラムと、前年度と比べて0.2ミリグラム悪化した。だが同局環境課は「数値は観測条件の違いなどで小さく変動するが、長期的にみて水質は改善傾向にある」としている。全窒素は0.08ミリグラム改善の0.62ミリグラムで、目標値も達成した。全りんは0.041ミリグラムで0.003ミリグラム良化し、環境基準も満たした。透明度は0.1メートル改善の1.2メートルだった。
同課の宮坂真司主査は水質の改善について「ヒシの除去や下水道の整備をはじめさまざまな取り組みが功を奏したのでは」とし、「今年は諏訪湖創生ビジョンを見直す年。人と生き物が共存でき誰もが訪れたくなる湖を目指して、引き続き取り組んでいきたい」と話した。
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