向山さんが制作した横河川の桜並木のジオラマ作品
鉄道模型を使ったジオラマ作りが趣味の向山尚樹さん(46)=長野県諏訪市中洲=が、岡谷市の横河川沿いの桜並木を表現した作品を制作した。淡いピンク色の木が並び、川の流れも丁寧に表現。中央に鉄道を配置し、特急列車や観光列車を走らせて、花回廊ができる時期の岡谷市を再現している。
向山さんは、諏訪6市町村の鉄道がある風景をジオラマで再現する計画を進めている。これまでに諏訪湖の御神渡り(御渡り)を表現した下諏訪町の冬景色を制作し、鉄道模型雑誌の出版社が主催する全国コンテストでも高く評価された。
今回制作した春の横河川は水の流れを表す模型素材だけでなく、つややかな質感が特徴の樹脂「レジン」を使って川の流れを表現。両岸の桜並木の下には撮影に熱中するカメラマンや 散歩を楽しむ親子らの姿があり、一人ひとりが生き生きとしている。幅90センチ、奥行き55センチで、横河川から見える里山の写真を添えている。
制作は2019年に始めたが、体調を崩して一時中断。そのまま手付かずだったが、翌年春に横河川を訪れ、桜並木と鉄道の風景、花回廊の美しさに触れて制作再開への気力を取り戻した。「横河川の美しさが創作意欲を沸き立たせてくれた」と語る向山さんは引き続き仕事の合間に作業を進め、昨年6月ごろまでに完成させた。
コロナ下でイベントが開かれず、ジオラマ作品の発表の場は今のところないため、向山さんは「どこかで披露させてもらえる機会がもらえればうれしい」と期待する。次回作にも取り組む考えで、構想では茅野市の「木落し公園」を舞台に御柱祭を表現したい考えだ。「6市町村の四季を鉄道模型で表現するのが今の目標」と語った。
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