衣料品店「かしわや」・輿正清社長
春は別れの季節…。特集はまもなく店を閉じる「駅前」の衣料品店です。
店の歴史は100年以上。「何でもそろう」と重宝されてきましたが、主が引退を決意しました。惜別と感謝のセールが続いています。
客と輿社長
かしわや・輿正清社長(70):
「その隣、どう?」
客:
「綿みたいじゃん」
かしわや・輿正清社長(70):
「夏、インド綿だよ」
かしわや(長野県松本市)
「お値打ち品」を巡って話が弾む店主と客。こちらは、上高地線の新村駅前に建つ衣料品店「かしわや」。
最大7割引きの閉店セール…。客と会話しながらの営業もあとわずかです。店は現在、社長の輿さん、100年以上続いた店の歴史に幕を下ろす決心をしました。
かしわや・輿正清社長
かしわや・輿正清社長(70):
「本当に感謝感謝いっぱいで、感謝しかない。やめないでくれってことを聞かされたり、お客さんが心にとめてくれていたのかと、心にうんと温かいものを感じる閉店」
近所の住民
近所の住民:
「場所もよかったしね、とても残念で」
「やっぱり新村のかしわやっていえば名店ですから。それなりに寂しさがありますよね」
常連客と輿社長
かしわや・輿正清社長(70):
「こっち着てみたら?」
常連客:
「これは、ゆったりしてる」
かしわや・輿正清社長(70):
「9800円だから、(7割引して)2900いくら…」
常連客:
「もらったようなもんだね」
常連客:
「とってもいいです。これに決めます。(いつも社長がアドバイスしてくれる?)そう」
常連客
こちらの女性は、社長が幼い頃から利用していて、学生時代はアルバイトもしていました。
常連客:
「何でもあったから便利。でも、なくなっちゃうと寂しいですね。年寄りだから(買い物に)困ります」
旧店舗の瓦
店は輿社長の曽祖父が、遅くとも明治40(1907)年には営業していて、野麦街道沿いで日用品を扱っていました。
4代目の輿社長が生まれた頃、今の駅前へ。昭和の終わりから平成の初め頃が、にぎわいのピークだったと言います。
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