トレーラーで運搬される御柱
ビッグイベント、諏訪大社の御柱祭が2日、開幕しました。感染対策で、「見せ場」は中止され、御柱はトレーラー運搬。寂しさ・喜びが入り混じった異例の「山出し」となりました。
祭りの開幕を告げる「上社山出し」。本来、大勢の氏子たちが御柱を引っ張って運びますが…。
「本宮一」茅野市豊平・玉川地区・矢島正恒大総代:
「1200年続いたこの歴史、諏訪の人の心意気、思いを本一の柱に込めて一生懸命取り組みたい」
最も太い「本宮一」など8本の柱が2本ずつ、トレーラーに積まれ、運ばれました。密を避けるため、長い祭りの歴史の中で初めての対応です。
トレーラーは「御柱街道」ではなく約17キロの別ルートを進みます。
沿道には氏子や住民、子どもたちも…。
子ども木遣り:
「トラックで運んでいるのでそれは残念だけど、木遣りが鳴けてそれはそれで良かった」
「子之神の神事」は国道に一時停止して…。
住民が集まり始めたこの場所は豪快な木落しが行われてきた「木落し坂」。
「木落し坂」を見通す橋では木遣りで出迎えを…
「坂」の前をトレーラーが通過します。
地元の住民:
「この場所を御柱が通るのは最初で最後なので。さみしい御柱なのでちょっとでも楽しみになればと(木遣りを)やらせてもらいました」
続いて、御柱は宮川の橋へ。氏子たちが冷たい川に入って柱を渡す「川越し」の地です。
(記者リポート)
「川越しに代わり、今回はあちらの橋で放水によって御柱が清められています」
「川越し」に代わり、放水でお清め―
地元の住民:
「すごーい」
「こういうご時世なので、最善をつくしてもらえればいい」
ラッパ隊の住民:
「それなりに盛り上がっていると思いますので、やっていて楽しかったです」
その一方で…
木遣り保存会の住民は:
「なんだか知らないけど涙が出てきてね。曳かない御柱の木遣りってのはだめだね、力が入らなくてさみしい」
柱は1時間ほどで終着点「御柱屋敷」に到着しました。
上社御柱安全対策実行委・笠原透委員長:
「大変残念だけど、みんなの知恵を絞ってここまでできた、精いっぱいかなと」
異例の内容となった「山出し」。5月の「里曳き」、「建御柱」は本来のように行われるのでしょうか。
長野放送[/MARKOVE]