笑顔で一時帰宅した壬生悦子さん
特集はコロナ禍の高齢者施設です。家族とのふれあいも制限される中、お年寄りの一時帰宅を実現させている施設があります。コロナを「見えない災害」と警戒しながら、家族との時間をつくるため苦心を重ねています。
壬生悦子さん
長野県高森町の壬生悦子さん91歳。入所する町内の施設から、およそ2カ月ぶりの「一時帰宅」です。
記者:
「おうちに帰ってきていかがですか?」
壬生悦子さん(91):
「やっぱりうちに来たら、うれしいなって思いますね」
家族と過ごす2泊3日。入所者には大きな励みとなります。
コロナ禍の今、施設は「家族との時間」をどのようにつくっているのでしょうか。
円会センテナリアン
壬生さんが入所する介護老人保健施設「円会センテナリアン」。一時帰宅は「厳格な感染対策」の上に成り立っています。今回、取材クルーも「抗原定量検査」を受け、陰性を確認してから取材が許可されました。
円会センテナリアン 医師・瀬口里美施設長
円会センテナリアン 医師・瀬口里美施設長:
「こちらが正面玄関。基本はここで入館禁止という対応をさせていただいています」
施設は入所者の家族を含め、一般の入館を原則、禁止しています。
円会センテナリアン
入所者はおよそ140人。リハビリをしながら在宅復帰を目指していますが、多くが感染すると重症化が懸念される「基礎疾患」を抱えています。
オミクロン株は軽症が多いとされますが、やはり高齢者は別。第6波で亡くなった61人のうち、ほとんどが基礎疾患のある高齢者です。さらに感染力の強さから、高齢者施設の集団感染は既に35件に上っています。
円会センテナリアン 医師・瀬口里美施設長
円会センテナリアン 医師・瀬口里美施設長:
「(集団感染が発生したら)どれだけ悲惨な結末になるか、それは一種の災害、相手はウィルスなので見えない災害になります。できることをするしかないです。それでもおそらく、どこもそうですけど『明日は我が身』、毎日そう思いながら過ごしています」
「見えない災害」に立ち向かう施設。重要な対策の一つが職員の検査です。県の感染警戒レベルが「4」以上になれば、およそ130人全員が週2回、検査を受けます。
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