農林水産大臣賞を受けた「信州そば発祥の地 伊那そば振興会」の飯島進会長(右から2番目)と関係者ら
一般社団法人日本蕎麦(そば)協会(東京)の第33回全国そば優良生産表彰で、最高賞の農林水産大臣賞を受けた長野県伊那市の「信州そば発祥の地 伊那そば振興会」への伝達式が25日、市役所で開かれた。在来種ソバ「入野谷(いりのや)在来」の復活と、主流となる品種の高品質化への取り組みが評価されたもので、飯島進会長が受賞を喜ぶとともにさらなる発展への決意を新たにした。
表彰は、国産ソバの生産で模範となる農家や団体に贈られる。最高賞の受賞は県内で2009年度以来12年ぶりとなり、市内では初となる。
振興会は、2015年に市内のソバ生産者やそば店などがそばを通じた地域振興を目的に発足。「入野谷在来」の復活事業は、14年に県野菜花き試験場(塩尻市)で、長谷浦で採取したとみられる在来種の種が見つかったことがきっかけとなり、交雑を防ぎながら徐々に作付面積を増やして栽培。市内外のそば店に出荷され、新たな名物としての期待も高まっている。
在来種に代わり主流となる品種「信濃1号」の高品質化については、信州大学農学部の協力を得て18年から試験栽培を実施。高品質と評価された栽培方法を「プレミアム栽培指針」としてまとめ、JA上伊那が普及を図っている。
伝達式では、飯島会長が同協会から表彰状を受け、「発祥の地の名に恥じないようそば、農業、地域、観光の振興にまい進していきたい」と意欲。信大農学部の井上直人名誉教授らも出席する中、受賞報告を受けた白鳥孝市長は、生産量や品質の安定化に期待を寄せ、「全国から足を運んで、素晴らしいそばを味わってもらいたい」と述べた。
[/MARKOVE]