出来上がった3種類の「オール岡谷産」シルクの風呂敷
長野県岡谷市の岡谷シルクブランド協議会が製作を進めてきた「オール岡谷産」シルクの風呂敷が出来上がり、「ふろしきの日」の23日、市観光大使の歌舞伎俳優、市川笑野さんと市川右田六さんへの贈呈式が市役所で行われた。風呂敷は大中小3種類で、岡谷や諏訪地方の自然をイメージした色とデザイン。観光大使2人に3種類1組ずつ贈り使ってもらい、岡谷シルクのPRに協力してもらう。
風呂敷は、岡谷シルク推進事業として市が進める製品開発の第1弾。市内の三沢区民農園で収穫した繭を宮坂製糸所の諏訪式繰糸機で製糸し、岡谷絹工房で手織りしたオール岡谷産で、今年度内に大中小1組を計15組作る計画で進めている。これまでに4組が完成し、この日にお披露目となった。
サイズは90センチ四方、70センチ四方、45センチ×50センチの3種類。大サイズは冬の諏訪湖と八ケ岳を四隅の御柱が囲むイメージで、中サイズは夏の諏訪湖と山の風景、小サイズは岡谷ならではのツツジとアジサイの花の色を表現した。熨斗目柄や弁慶縞など伝統的な柄で仕立てている。
贈呈式には市川笑野さんがオンラインで参加。今井竜五市長は「風呂敷を活用してもらい、さらなる岡谷のPRに努めてもらえたら」とあいさつ。市川さんは「岡谷のシルクが過去の遺産ではなく現代に生きる産業となってほしいと願っている。100%岡谷産の素晴らしい製品をアピールし、その第一歩としたい」と期待を込めて話した。
風呂敷の完成に、同協議会長の高林千幸岡谷蚕糸博物館長は「オール岡谷産の取り組みがスタートできてよかった」と喜んだ。デザインを担当した市地域おこし協力隊の佐々木千玲さんは「養蚕、製糸、機織りと、地域の人たちの頑張りが一つの形として生まれることができた。1枚の布に込められた思いが伝わればうれしい」と話していた。
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